2011年11月2日水曜日

ヒメコバチ科 Tetrastichinae亜科 (?Baryscapus sp.)

メランポジウムに居たクサカゲロウの幼虫をビオトーブの睡蓮の葉に放った。
10月1日、あまり大きくならずに繭になったのを確認した。

以前、繭となった幼虫は私の留守中に無事羽化したようで繭の上に抜け殻があった。
今回は逃すまい、と毎日チェックするのだが、なかなか出てこない。
越冬するのか?と半ば諦めながら観察を続けていた。

今日、直ぐに異変に気付いた。繭にハチがとまっている!産卵にきたのか。いや
繭の周りに5〜6匹いる。繭から出て来たのだ。クサカゲロウが出てこないわけだ。

一体クサカゲロウは幼虫の時に寄生されたのか、蛹の時なのか或は
寄生されたアブラムシを介してこうなったのか。このハチは何者なのか?
体長約1.8mm。触覚、ふ節、小楯板からヒメコバチ科まで何とか辿り着いた。
そこから先はお手上げです。

羽化したばかりで準備運動というかウォーミングアップというか
繭の周りで翅を羽ばたいてみせたり、グルーミング?してみたりと見ていて
楽しかった。(専門用語があるかもしれませんね。)

最後にカラになった繭を開けると蝋で包まれたような蛹?が1つ出て来た。
まだ生きているのかどうか、しばらく様子を見てみよう。


11月8日追記:ezo-aphidさんの計らいにより上條先生に見て頂いたところ
クサカゲロウに寄生するTetrastichinaeはOomyzusか Baryscapusで後者の可能性が
あるとの事でタイトルに?付きですがタイトルを変更しました。
先生、並びにezo-aphidさん有り難うございました。

11月7日追記:ezo-aphidさんよりの情報提供によってヒメコバチ科のTetrastichinae亜科
で間違いないと思いましたのでタイトル変更します。
その後、取り出した蛹は変化がありませんので何らかのトラブルで既に死んでいる
かもしれません。

ウォーターマッシュルームの葉上にて。予想より速く繭と成る。
寄生されているのと関係あるのだろうか?

お昼に確認するとこの状態。出てくるところを押さえたかった。

細かく見て行くと庭では始めて見るハチ。

ウォーミングアップか。あちこち動かしている。

分かりにくいが右眼に触覚の抜け殻がついている。

2匹重なっている。交尾?残念ながら近づいた写真は撮る事が出来なかった。

見た目、蝋のような材質。上についているのは先に羽化したハチの抜け殻か。

上の写真の裏側。1つしか出てこなかったのは蛹から出ると食べるのかしら。

5 件のコメント:

  1. hepotaさんのブログ(2011.3.25)で、Tetrastichinae亜科の画像をまとめていますのでご覧ください。クサカゲロウに寄生するヒメコバチ科は、日本ではTetrastichus属とOomyzus属だけのようです(大英博物館のコバチ上科データベース)が、それらの特徴については、私はさっぱり判りません。(これでも半歩前進??)
    http://blog.tamagaro.net/?p=932

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  2. ezo-aphidさん こんばんは。
    いつも有り難うございます。早速、拝見しました。お目立て通り、手持ちの写真と
    見比べてもTetrastichinae亜科だと思いタイトルも変更しました。
    ヒメコバチ科でクサカゲロウの寄生に関してはお手上げ状態でしたが日本で確認された属まで
    絞り込めるところは流石です。

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  3. こんばんわー。
    上條先生に見ていただきました。結論から言うと、「?Baryscapus sp.」となります。
    「クサカゲロウに寄生するTetrastichinaeは Oomyzus か Baryscapus だと思います(以前はこの亜科の大部分の種がTetrastichus属に入れられているため、Tetrastichus となっている記録は再検討が必要です。)」という事情が、私の間違いのもとでした。「Oomyzus と Baryscapus の区別には顕微鏡が必要ですが、Oomyzus は一般に腹部の長さは頭部+胸部の長さよりも短くて先端が丸い」のだそうです。
    どちらの種も、複数のハチ成虫が出てくる場合が多いそうです。

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  4. 最終行:どちらの属も、複数の・・・・、に修正です。

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  5. ezo-aphidさん こんばんは。
    上條先生ともども本当に貴重な時間を使って頂き感謝であります。
    ?Baryscapus sp.まで絞り込めただけでも凄いです。ただただ感心してしまうばかりです。
    2mmにも満たない小さなハチの世界、その未知の領域の深さに新鮮な驚きを感じます。

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