2014年9月20日土曜日

カメムシ卵 そのメカニズム

過去の記事においてezo-aphidさんが孵化をして空になった卵殻からベロンと飛び出た物体について今回あらためて詳細に解説して下さいましたので記事にします。

ブログを始めて2ヶ月近く経った自宅庭で撮影。カメムシの卵の蓋の構造に驚いた

その当時には気付かなかったT字の稜のある物体
2012年9月12日撮影 自宅庭

こちらは孵化してしばらく経って色づいたクサギカメムシ

↓ezo-aphidさんの解説であります

T字型の稜を持つ破砕器は、硬い交点が卵殻まわりの(薄い?)部分にあたっていて、かつ薄い帯で反対側の卵殻につながっている。ふか幼虫が卵から脱出しようとすると、頭部がこのを押すことになり、円いふたの縁一点に、内側から強い力が加わる。硬い蓋は壊れずに、マンホールのように押し開けられる。破砕器は(卵内で幼虫を包んでいる)胚表皮という膜の一部で、孵化幼虫の脱出後に、(破砕器は卵殻の内外に見られるものの)卵殻ー破砕器はつながったまま残される。」
要は、「プルオン型の開缶を、内側からの缶切りを使っている」、ということですね。
追記:カメムシの卵には他にも「内部ガス圧による方法」など、あるようです。

ezo-aphidさんの解説通り黒い破砕器は帯に繋がっています

以上、古い写真ばかりで構成しました
2012年6月22日撮影


6 件のコメント:

  1. わざわざ解説図を作成いただきありがとうございます。
    カメムシ卵の開け方には、ファーブルさんによれば「内部ガス圧による方法」(サシガメだったかなぁ)もあるらしく、このほかの開け方にも注目したいと思います。

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    1. 今回の解説、よく分かりました。ありがとうございます!
      内部ガス圧による方法ですか、これまた面白そうですね。
      以前、撮影したメダカカメムシを思い出しました。あれも気になります。

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  2. カメムシの卵に残った三角のやつとても気になっていたのですが、初めて解説を見ました。ezo-aphidさん、BABAさん、ありがとうございます。
    でも、まだちょっとよく分からないのですが、幼虫は破砕器を押すのではなく、帯を押すのですね? プルトップの支点に相当するのは、破砕器のTの交点でいいですか。また、Tの足の部分は、卵の中では頂点を向いているのか、卵の底を向いているのかは、分かりますか? 幼虫の頭の形が三角形というのと、破砕器の形とは関係がありますか。

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    1. ezo-aphidさん様様であります。
      細かい所はezoさんの、おっしゃるように孵化直前の観察してみたいですね。見つければ採集するのですが見つかるのは殻ばかりです。

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  3. tukikさん、わからない点の正解は、カメムシ卵に聞くよりなさそうです。
    ご質問の答えは、幼虫の眼や破砕器が発色した「孵化直前の卵」をよく観察すれば推測できると思います。どこかでそんな画像を見た覚えがあるのですが。
    わたしの解釈は「帯も押す、破砕器の交点は作用点、Tの脚は底向き」です。頭は三角形ですか?

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    1. ありがとうございます。
      そうか、帯を押すなら破砕器を直接押さないでもいいので、頭の形と破砕器の形は関係無くてもいいんですね。Tの脚は底向きですか。これは、BABAさんなら撮影できそうですね。

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