2016年3月31日木曜日

ヒゲナガホソクチゾウムシ

チロチロチロと真っ黒い小さなものが走っている。そのスピードはタカラダニ並み。レンズを向けると既視感。5年前と同じ状況。様々な角度から撮影するのが理想ですが見事なまでに同じ方向からしか撮影できませんでした(^^;;

位置について、よ〜い

ドン!

何処へ向かおうとしているのか

止まることを知りません。 体長約2mm(複眼まで)

3月21日撮影 増位山

笹と鞘の隙間 / その驚く光景 -その8-

今回でこのシリーズは終わりです。また機会があれば笹の鞘の中を調べてみたいと思います。最後はダニをまとめて紹介します。

その1】【その2】【その3】【その4】【その5】【その6】【その7

?ケブカコナダニ ( yrophagus putrescentiae )

笹の鞘の中で一番、多くみられたダニ。乳白色のカイガラムシの放出したWAXを寝床にコロニーを形成しておりました。ひょっとしてWAXを餌にして生息しているのかもしれません。コナダニ科は当ブログ初登場です。

体長0.4mm 

自分以外の者との距離感が重要なのでしょうか脚を含め放射状に毛が生えています

カイガラムシのWAXに群がっています

卵らしきものも散在していました。表面にすこしザラつき

卵の長径は約0.15mm

WAXが完全に取り去られている。やはり食べちゃった?

こちらもほとんどありません。丸の中、孵化して間もないであろう個体

不明ダニ

極小体長約0.13mmのダニ。動きすばやく、その小ささもあってハッキリ写りません。色目は違いますが過去に撮影したこいつに雰囲気は似ています。

いらっとする(^^;; 大きさです。科でも分かればすっきりしますが..

ササラダニの2種

その1


体長0.3mm. 排出される糞が模様のように黒く透けて見える

何を漁っているのでしょうね

カイガラムシの甘露を栄養とする菌類を餌にしているのでしょうか

よく似たものは見ていますが多分、初見であります

黒い点はこれらの糞でしょうかね

その2


こちらは艶っとしたタイプ。ベッコウの輝きであります。体長約0.3mm.撮影にはやはり厳しい大きさです

ササラダニ亜目のどの科なのでしょうか、多くて絞りきれません

体が透過して下の菌糸?が見えます

最後に

8回にわけて記事にしましたこのシリーズも今回で終了です。あまり内容はありませんでしたが(^^;; 普段の生活で決して、絶対!覗かないであろう空間を紹介出来たのは無意味でなかったかなと考えています。またササクダアザミウマの画像がネット上では、ほとんど出回って無いので、これを機会に増えたら良いなと思います。見落としている点も多いと思いますが辛抱強くお付き合い頂きありがとうございます。

過去に似たようなシリーズとして「石の裏には何がいる!」があります
3月22日撮影 神戸市西区押部谷

2016年3月30日水曜日

笹と鞘の隙間 / その驚く光景 -その7-

「その驚く光景」は-その3-で終わり、後はおまけ程度に思ってください(^^

笹と鞘の間に多くのムシを呼び込んだ主は-その2-で紹介した乳白色のカイガラムシだと思いますが、その肛門付近で潜んでいたタマバエの幼虫らしきものを見つけました。肉食なのか菌類を好むものか分かりませんが。

その1】【その2】【その3】【その4】【その5】【その6】【その8

やはりカイガラムシ幼虫を狙った肉食系でしょうか
過去撮影の肉食系→こちら  菌類食→こちら

頭部。先日見たのとは別種のようです

体長はこの状態で約1.2mm 隣をササラダニが歩いています(後日ダニ類まとめて紹介)

カイガラムシの屍のおかげ?で面白い雰囲気を演出してくれています(^^
3月19日撮影 神戸市西区押部谷


笹と鞘の隙間 / その驚く光景 -その6-

笹と鞘の間にある空間で吸汁しているカイガラムシは-その2-で紹介しましたが、もう1種、カイガラムシが存在しておりました。ただ今回紹介するカイガラムシは何本か皮をめくりましたが1本にしか見つけることができませんでした。そらさんが記事にされたものと雰囲気は似ていますがスケールが多分ずっと小さいと思います。


その1】【その2】【その3】【その4】【その5】【その7】【その8

カイガラムシ の1種

体長1mm 何か透けて見える

光量多すぎですが(^^;;    黒い2つの点は目? 上のダニはまた後日紹介

単なる内蔵なのでしょうか。気になる気になる

狭い空間で生息しているので、やはり薄型なのでしょう

本当は白い皮?をまとっていた? 笹の皮と一緒に剥落したのでしょうか

背面の彫刻が少し違うタイプ。成長段階の差でしょうか

別の個体の剥がれた跡。甘露と口針が見えます

1箇所だけ、この状態を発見。赤い蛹のような形になる前の段階でしょうか
わからないことばかり..

1枚追加。白い皮が剥離する前の状態
3月19日撮影 神戸市西区押部谷

2016年3月29日火曜日

笹と鞘の隙間 / その驚く光景 -その5-

-その3-で不足の深度合成画像を補完しようと採集したら翅が欠損した個体でありました(^^;;

その1】【その2】【その3】【その4】【その6】【その7】【その8

ササクダアザミウマ ( Podothrips sasacola ) 深度合成


複眼の内側に単眼が埋め込まれている。複眼との機能差は機能している?
少し分かりにくいですが触角の付け根の間にも1つあります

総翅目の名の由来、肝心の翅が欠損とは痛いなあ

前脚の腿節が特に太く発達しています

以下 ステレオグラム交差法

神経が透き通って見えます

複雑な口器はもう一つ解りにくい写真
こちらのアザミウマは大型なためもう少し分かりやすいと思います→こちら

口に神経が集まっていますね

3月27日採集・撮影 神戸市西区押部谷

笹と鞘の隙間 / その驚く光景 -その4-

本当ならカイガラムシとアザミウマ以外のムシを取り上げる予定でしたが、面白いことを思いついたので、ちょっと寄り道。
それは死骸となって笹の表面に張り付いているカイガラムシ幼虫を粘土で引っ着けて腹面を観察しようという発想。これが面白いほど引っ着く。


その1】【その2】【その3】【その5】【その6】【その7】【その8

任意に貼り付け場所を決めアート作品が作れそう!?

口針はさすがに抜け落ちていますが、よく原型を留めていると思います

ステレオグラムでみると意外と凹凸があることを発見

*実際の凹凸はもっと緩やかだと思います

3月28日撮影 神戸市西区押部谷

2016年3月28日月曜日

笹と鞘の隙間 / その驚く光景 -その3-

その1その2で登場しましたカイガラムシの体液を吸いペッチャンコの大量の死骸を残した主はアザミウマでありました。多分、ササクダアザミウマ ( Podothrips sasacola Kurosawa, 1940 ) だと思います。

2019年2月11日追記:時鳥庵 庵主さんよりコメントを頂き-その3-つまりこの記事に登場するアザミウマはPodothrips odonaspicola(メダケクダアザミウマ)であると教えて頂きました。私が同種と思い記事にしていた-その5-はPodothrips sasacola(ササクダアザミウマ)であっているようです。詳細はコメント欄をご覧ください。ありがとうございます!

メダケクダアザミウマ

このシリーズのタイトルに”驚く”をつけました。それは体液を吸われた多くのカイガラムシ幼虫が笹の表面に張り付いている光景と、捕食者であるアザミウマの体型を見て本当に久々に驚いたからです。ちなみに、これ以前に驚いたムシは2014年夏に見つけたこれです。

その1】【その2】【その4】【その5】【その6】【その7】【その8

パッと見ると普通のアザミウマって感じですが

めちゃくちゃ薄いんです!!ぺったんこアザミウマ!

アザミウマは大抵、薄型ですが私の見た中で体長に対して最薄だと思います
複眼のついている頭部で約0.05mm もっとも厚い胸部でも約0.13mmしかありません

狭い空間で活動するために薄くなったのでしょうか

時間が無い中、慌てて深度合成したせいか出来はいまいちですが..

左中、後脚が動いて画像が破綻。処理方法がありますが、また今度に

触角

いつもの立体写真

こちらのサイトを見るとササクダアザミウマ で合っている感じです


ニョロニョロと蛇のように動き回り

なんとも撮影し難い被写体でありました

たまたまカイガラムシの死骸が乗っかった個体。カイガラムシがピース(^^

こちらは幼虫。頭部が小さい。というよりカイガラムシを食って太っている!?
体長約1mm. 丸い笹の上で動き回る被写体にピントを合わせるのは本当に大変(^^;;

こちらは蛹なのか死んでるようにほとんど動かず

体長約0.9mm

普段、全く見ることの無い笹の鞘の中の世界でしたが

こんなぺったんこの世界が広がっていようとは知りませんでした

アザミウマの捕食場面を捉えるのは皮をめくらないといけないので難しいでしょうね

他にも犠牲になったであろうムシ。何者だろう?
私が驚いたムシはこれで終わりですが、この空間には他にも生物が暮らしていました
-その4-で紹介します
3月18日〜24日撮影 神戸市西区押部谷