2018年8月2日木曜日

タマゴクロバチ亜科 Trissolcus sp. 羽化

体長約1.7mmの小さなハチが寄生するためのカメムシの卵を探し当て産卵管を差し込み卵を産み付ける。その卵は孵化しカメムシの卵を栄養源とし、その中で成長、蛹化し、そして羽化し硬い卵殻に穴を開け出で間も無く交尾を行い再び生命を繋いでいくためにカメムシの卵を探しに飛び立つ。
その機能と動力となる生命エネルギーを微細な体に詰め込む技術。神業。人類がその術を手に入れる時が来ることが、あるのでしょうか。

カメムシの卵 蓋の大きさ 直径約1mm

先に羽化し穴を開けたのはやはりオス。

地道に小さな顎で卵殻を削り穴を開ける

右上、脱出完了

我々から見れば薄いカメムシの卵殻も

小さなハチにとっては分厚い壁なんでしょうね

無数の凹凸が卵の強度に寄与しているのでしょう
カメムシ卵の深度合成、過去の記事→こちら

深度合成

大きさ的には以前撮影したものと同じですが同種かは分かりません

♀ 1.7mm

撮影 7月19日 18:23
順番が逆ですが深度合成に到るまでの流れを記事にします。
コナラの葉裏に4個。撮影時、1頭のタマゴクロバチがパトロールに来ていました


黒い部分が本体。白いのは胎便(meconium)でしょう。
後日切開して確認すると白い粘土のような塊でした。

7月20日 22:44
オスが穴を開け始めていました。

左下のシルエットからメスも羽化完了した模様




7月23日16:16
朝の6時からインターバル撮影開始

まだ脱出できていないオス

7月23日22:28

オスの動きがとまった..。かわりにメスたちの動きが活発になる。
オスの動きが完全に止まったのは25日。彼は脱出出来ませんでした。

7月24日14:30
メス1頭脱出

このメスその後シャーレーの蓋の隙間から逃げました

7月25日12:39

穴を開けるのは、かなり大変な作業なんですね

7月25日20:15
もう出られる状態と思いましたが飼育環境が悪かったためか脱出できずに27日には2頭とも動きが止まってしまいました。残念な結果となりましたが脱出するために動き続ける生命力の強さに今回、観察して圧倒させられました。


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