2018年8月30日木曜日

トックリバチ の巣を開けてみよう!

出先にて5つ横に並んだトックリバチの巣を見つけました。そのうち4つは側面に穴が開き空っぽ。残り1つは未開封。怪しい.. ということで持ち帰り開けて見ることにしました。
追記:前編・後編の2部を一つにまとめました。

直径約14mm.

なんとも味わい深い一品ですね!? いざ切開

むむ!

下の黒い部分はハチ幼虫の糞。そして細かい糸は幼虫が吐いたものと推測

ハチの幼虫の糸吐き、関連記事↓

  1. ヒメコバチ科 Tamarixia ?atamiensis 幼虫〜蛹〜羽化
  2. コマユバチ科 ?Meteorus sp. ♀ 繭と羽化
  3. ヒメコバチ科 Euplectrus sp. 繭づくり

断熱材のような繊維の膜を切開してめくる
お!なんか居る!

ライトを当てると中で動き出した。む!ツルツルの頭部

頭部を真正面から。予想外の者にびっくり!


変なところから櫛状の触覚が出ている


背中を向けると甲虫

これはハナノミだな、と思い「ハナノミ・寄生」で検索してみると

ムモンオオハナノミ だった!

ドロバチ・トックリバチに寄生するツチハンミョウ科の近縁のムシのようで、Aclerisさんんが2007年に紹介されていました。またハンマーさんも2006年に紹介されており、その生態はかなり面白いです。
  1. メスは大量の卵を産む
  2. 孵化した幼虫は花などで飛来してくるムシを待つ
  3. やって来たムシにしがみつく。相手がドロバチ類でなくても手当たり次第に。
  4. 運良くドロバチ に着くと巣の中に留まりハチの幼虫を餌にする
  5. その時の形は孵化後の形態とは違い芋虫のような形になる(過変態)

過変態といえばツチハンミョウやネジレバネは知っていましたがハナノミの仲間でいたとは驚きました。このムモンオオハナノミの事が記されています岩田久仁雄先生の「自然観察者の手記 2」を思わず発注してしまいました。

開封から4日経って、ようやく巣から出て来た。

黒バックは分かりにくいので白バックに。体長約5mm
オオハナノミ科 Macrosiagon nasutum

ハナノミって独特のプロポーションですよね

今回は生態まで独特なハナノミでありました
8月22日〜26日撮影

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