6月21日の記事でキジラミの一種を紹介しました。読者の方よりホストはツバキ科モッコクと知り「山陰地方のキジラミ図鑑」で調べましたが該当する種は見つかりませんでした。
7月7日、七夕の日にキジラミ研究者、井上さんより1通のメールが来ました。その内容は
- アマクサキジラミCacopsylla amakusensis (Kuwayama, 1939)である可能性が非常に高い
- 熊本県天草で最初に採れた後、これまでに採集されているのは山口県光市、福岡県久留米市、屋久島、トカラ中之島、沖縄県の島々で、数えるほどしか記録がない稀種
- ホストは不明。(記録地から考えて、クチナシあたりがホストではないかと予想されていた)
- 幼虫の形態が不明のためアマクサキジラミをPsylla属からCacopsylla属に移していたがブログ写真の幼虫の形態からCacopsylla属では無いことが分かる
- 確認されているモッコクをホストにするキジラミは1種で、種関東以南でモッコクトガリキジラミTrioza ternstroemiaeが発生する
- 観察されたキジラミがアマクサキジラミであれば、大発見です(アマクサキジラミでなくても大発見です)
という驚きの内容でありました。
まさか、そんな稀種の幼虫が身近にいるとは.. 6月6日撮影
7月8日には幼虫は皆無、脱皮殻のみ
アマクサキジラミの成虫は顔面が白い。私が撮影したものは白く無い..(6月6日撮影)
「未成熟個体ゆえ」と井上さん。7月中旬頃に調査に来られるとの事
そして調査の結果!
私は残念ながら、その日は岡山に出張中。台風8号、通過後の影響が心配されましたが
200頭足らず採集されたようで、アマクサキジラミに間違いないようです!
「これまでの15年間に採ったのが(偶然に得られた)10頭以下でしたので、これはすごいことです」との事。
ホストがわかったので今後、稀種から普通種になって行くのでしょうか
そして出張から帰り公園に脚を運ぶと顔面が白くなった成虫に遭遇しました(7月20日撮影)
また過去のライブラリを探してみると昨年の12月23日も撮影しており記事にしておりました
触角の付根や交尾器の赤味が増しております
また過去のライブラリを探してみると昨年の12月23日も撮影しており記事にしておりました
触角の付根や交尾器の赤味が増しております
今月7月でブログ開始から4年目
素晴らしいご褒美を頂きました。井上さんありがとうございました(^^
せっかくなので深度合成
ほんとに顔面だけが白いです
こんばんは、
返信削除二重のおめでとうございますですね(^^)。
こう言う嬉しい便りがあると「ブログも続けて良かったな~」ですよね。なので、これからも続けてくださいね。
モッコクですか、ネットで画像を見ましたが、近所にあるのかすら分からない(区別できない)のが情けないです。
何で、虫の違いが分かって植物違いが全然分からないのでしょうね(^^;。
ありがとうございますm(_ _)m
削除そらさんの数々の金字塔に比べましたら及びませんが(^^;; おっしゃる通りブログを続けていて良かったなと思える瞬間でありました。
私も植物の見分けが苦手であります。
おめでとうございます。
返信削除BABAさんの写真が元になって属まで検討し直されることになりそうなんですね。素晴らしい快挙です。
モッコクは明石公園にも多いのですが、これまでキジラミと言えばモッコクトガリキジラミを何度か見ただけです。
今度気を入れて探してみます。
こんばんは。
削除まさかの珍品でありました。明石は近いので居そうですね、そうなると面白いです。またお教え下さい。
おちゃたてむしさんの撮影されたモッコクトガリキジラミにも是非、出逢ってみたいものです。
やぁやぁ、おめでとうございます。
返信削除これは新種の発見、あるいはそれ以上の重要な発見と思います。植物食の昆虫種で寄主不明、というのは再捕獲する上で致命的な障害なので、できれば命名してほしくないものです。間違った寄主名をあげられるよりはましですが、せめて、「常緑性の灌木」とでもあれば良かったのかもしれません。
ところで、井上さんはどうやってこの画像に巡り合ったのでしょうか。以前からの常連さんだったのか、キジラミの検索でいらしたのか・・・・。後者としたら、表題のつけ方で出会いやすい工夫ができるものか、興味があります。
ありがとうございます。
削除丸3年ですがブログをつづけていると、こういった出来事があるかもしれない!と思っておりましたが、あるもんですね〜(^^
今回に限らず情報の取り扱いはナカナカ難しいもで慎重さが必要なんですね。
ここに辿り着いた経緯をま、たたずねてみます。ちなみに発端となった記事の題名は「モッコクのキジラミの1種」でした