この時期のクサカゲロウの幼虫はアオバハゴロモ幼虫のWAXをよく背負っている。今回、みつけたアミメクサカゲロウ幼虫も白いWAXを背負っていた。しかし、その量が半端無く多く驚いた。思わずパチリ!過去撮影の幼虫→こちら
アミメクサカゲロウの学名はNacaura matsumuraeとApochrysa matsumuraeと2種あるのですが
どちらが正解なのでしょう?
追記:ezo-aphidさんが私の疑問に詳細に答えて下さいました。いつもありがとうございます!
- 学名はNacaura matsumurae (Okamoto)、Apochrysa matsumurae Okamoto,1912の2通り
- 命名時にはApochrysa属であったがその後の検討でNacaura属に移された
- 最新の報告ではApochrysa属に戻されている
- Apochrysa属 は熱帯圏から南半球に多く、日本・中国など北方に進出したのは本種だけのよう
素材としては軽いのでしょうが量が多すぎます
顔面に班が無く、この辺りで良く見かけるアミメクサカゲロウでしょう
高さもかなりあります!!
ボリューム感がいまいち伝わらない横からの撮影。体長約8mm
横幅14mm. 良く見かける幼虫の荷物の2〜3倍はありそう
アカメガシワの葉上にて
7月21日撮影 新開公園
学名を調べてみると、Nacaura matsumurae (Okamoto)、Apochrysa matsumurae Okamoto,1912 となっていますね。岡本半次郎さんが、お師匠さんの松村教授に因んで命名した時にはApochrysa属だったのですが、その後の検討でNacaura属に移されたいたようです。最新の報告(下記、Zootaxa)では、元の所属に戻されています。Nacauraは消えているのかもしれません。
返信削除ところで、この報文には驚きがいくつかありました。報告者のC. Tauberさんは、以前に紹介した「Ⅲ月紀」の、米国産ケカゲロウ類幼虫がシロアリを食べている、と最初に報告した方です。その報文(www.mapress.com/zootaxa/2014/f/z03835p208f.pdf) に、”A photo of this species shows a third instar carrying white, fluffy flocculence and material from male “cocoons” of the coccoidan Drosicha corpulenta (Kuwana) ”とあって、ここの以前の画像情報を(無断?)引用していましたよ。
原記載を見たら、松村教授が鹿児島で得た2雄に基ずいていますので、種小名はmatsumurai とすべきものでしょう。Apochrysa属 は熱帯圏から南半球に多く、日本・中国など北方に進出したのは本種だけのようです。
返信削除早速に、しかも詳細にお調べいただき、ありがとうございます。
削除また偶然にも写真について発見されるとは驚きました。今年の1月にコロラド大学より依頼があって提供したものです。論文が仕上がれば送ってくれる予定でしたがezoさんから先にお知らせ頂けるとは何だか妙な感じです(^^
種小名のmatsumurai とmatsumuraeの”i”と”e”の違いは何かあるのでしょうか?
「Catherine Tauber」と検索すると、つれ合い(共同研究者)のMauriceと捕虫網を持って肩組んでる嬉しそうな長靴姿が見られます。この春にコーネル大学を退職する際に引用の依頼があったんですね。
削除動物命名規約には、近世の人名に因んで種小名をつけるときは、男性には「 -i 」、女性には「 -e 」、をつけることになってます。となると、matsumurae は松村夫人に献名されたことになってしまう、・・ので間違い、・・・・・・と理解してました。
ところが、人名をラテン語と扱えば、末尾が「 -a 」で終わる名前には「 -ae 」をつける決まりだそうです。近年では、男性にmatsumurai と献名するものがほとんどですが、matsumurae としても間違いではないことがわかりました。またひとつ勉強してしまいました。
再度ありがとうございます。依頼のメールも連名でありました。夫婦そろっての研究者とは凄いものです。
削除う〜ん、なるほど!。iとeのお話。こちこそ勉強になりました。