前回、クレマチスの葉で産卵していたであろうChrysocharis pentheusと思しきヒメコバチの
決定的な瞬間を捉える事が出来なかった。
今回、舞台をヒメムカシヨモギに変え、産卵の様子を観察する事が出来た。
- ハモグリバエの食痕の部位をを行ったり来たり
- 頭部を食痕に近づけ触角を着け、幼虫?蛹?見つけたのか産卵管をプスリ
- 体を左右前後に大きく動かす(探っている?なんだろう?)
- 一旦、産卵管を抜き(なぜ?)その場に口を着ける(何している?)
- そして再度、産卵管をさす。
2〜3の行程を何度か繰り返し行っていました。その模様は動画にも収録しています。
姿勢を低くし口を着けている動作が気になりました。
6月16日追記:ezo-aphidさんより産卵管を刺した箇所に口をつけているのは傷ついた寄主の
体液から栄養を摂取しているHost-feeding(寄主摂取)の可能性を教えて下さいました。
6月16日追記:ezo-aphidさんより産卵管を刺した箇所に口をつけているのは傷ついた寄主の
体液から栄養を摂取しているHost-feeding(寄主摂取)の可能性を教えて下さいました。
体長約1.3mm。後脚が邪魔(^^;;
想像以上に大きい動作の産卵。前回は産卵に至ってなかったのでしょうか。
産卵管を1度引き抜き謎の行動。確認作業であろうか。
-動画-
最初はクレマチスの食痕(既に何かが羽化して脱出した穴ある)にやって来た個体。
次にヒメムカシヨモギで産卵に至る個体。
6月10日撮影 Nikon1 V1 自宅庭
勉強不足のまま、あれこれ注釈をすると、間違いをお伝えしそうで怖いのですが・・・・。解釈のヒントと理解して頂いて、お調べください。「Chrysocharis Phytomyza」でcinii
返信削除を検索すると、Sugimoto & Ishii(1979)の論文が出てきて、その前文6行にhost-feedingについて記してあります。
host-feedingとは、「寄生蜂の雌成虫が、産卵管で寄主を傷つけ、その体液を摂取してたんぱく質の栄養分とし(卵巣発達に)利用する」というもののようです。ある種では「寄主が老熟幼虫には産卵し、中齢幼虫では空打ちして体液摂取する」というもっともらしい説明もありました。
以前の、「何か舐めてる」のは、アブラムシの甘露だろうと思います。コバチ成虫の寿命を延ばすのに、蜂蜜が有効らしいのですが、野外では(やや効果の劣る)花蜜や甘露で代用してるようです。
それにしても、産卵というのは大事業なのですね。人間の筋肉トレーニングに見立てると、この作業1回だけで息が切れてしまいそうです。
こんばんは。
削除いつも、お調べ頂きありがとうございます。短時間でこのヒメコバチの行動に付合する論文を見つけられるのは頭が下がりますm(_ _)mお陰で謎のままだった行動も1つの可能性が分かる事により、次からその視点で観察が出来ます。産卵管を刺した同一の場所に口をもっているのでhost-feeding、寄主摂食行動とすると一連の行動にも理解が出来ますね。
こんばんは。
返信削除素晴らしい!冬場にお馴染みになったコバチ達の習性が次々と明らかになってくるのは感動的です。
産卵管による傷口から滲み出た体液を舐めるのは狩りバチ類でも普通のようですね。やはり栄養摂取行動と説明されていたと思います。
こんばんは。
削除昨年の初夏は小さな寄生蜂の存在を知らなかった為か全く撮影出来ませんでしたが、今年は気にしている分、遭遇できているのかなと思います。でも、栄養摂取行動であるとか、まだまだ知らない事ばかりです。
なにかいい事例がないか探してみました。「ホストフィーディング」で検索するとたくさん出てきました。キアシブトコバチでは、産卵時にしみ出た体液を飲む(つまり両方に利用してる)という講演要旨もありました。このごろ流行の、天敵農薬の説明にはホストフィーディングが強調されてますね。
返信削除ホストフィーディング。すでにカタカナになって農業の世界では既に注視されている行動だったんですね。いや〜、庭の1本の雑草から世界が広がりますね。ありがとうございます。
削除こちらでも、ハモグリバエ?への寄生蜂の行動を載せたのですが、ここに載っていると聞いて見に来ました。静止画はいつもですが、動画もすごいです。
返信削除こんばんは。
削除tukikさんのヒメコバチも拝見しました。初見です、いろいろと居るんですね。同じようにhost-feedingらしき行動もしているようですね。この撮影後、1度だけ産卵行動にやってきた同種のハチを見ましたが、なかなか遭遇しません。
見難い動画ですがコメント頂けると嬉しいです。