2012年7月2日月曜日

フタトゲチマダニ その2

マダニに吸血され無理に引き離してはいけない。体の組織が残ったりマダニの体液が逆流し
様々な病原菌に感染する恐れがあるらしい。

そんなマダニの構造が知りたくなり採集して深度合成してみた。すると吸血行為を止めさせる、
つまりは引っぱり抜こうとする力に体全体で抵抗しているデザインが見て取れた。単純な構造故手強い印象。

「マダニの生物学」によると(詳しくは検索してpdfを見て下さい)

  1. 唾液に含まれている酵素で皮膚を溶かしながら鋏角で皮膚を切り開き
  2. 口下片を差し込み吸血(属によるとセメント様物質を注入し固定させる)
  3. 血液を凝固させない物質を分泌
  4. 飽血が近づくとセメントを溶解する唾液を分泌
  5. 離れる

シンプルで理にかなった体の構造と複雑な吸血のメカニズム。ダニって凄い。
立体写真はこちら。 生体の写真はこちら。
7月3日追記:Aclerisさんより種名を教えて頂きました!ありがとうございます!
2014年2月3日追記:鋏角と思っていたトゲは違っておりました。こちらの記事のコメント欄をごらんください。


体の何処まで皮膚の中に潜り込ませるのか、脚の付け根にも鋭い返しがある。

一対の丸いのが触肢。その下にも鋭い返し。
左右の牙の様なものがついている部位が鋏角でしょうか。これで皮膚を切り刻む?
鋏角ではありませんでした

真ん中の、おろし金のような部位が口下片。これを皮膚に突き刺し体を固定する。

下に出た2つの突起は触肢。
画面上部のスピーカーのような穴も何かのセンサーでしょうね。

古代人が書いたダニの絵を背中に!?そんな雰囲気(^^

恐るべきは、その生命力。撮影中も動き1部ぶれている。
6月29日採集 Nikon D7000

6 件のコメント:

  1. おはようございます。
    ダニと言えば単純に針のような口吻を突き刺して吸血するのかと思っていましたが、何とも複雑で恐ろしげな構造をしているんですね。それにしても見事な撮影です。いよいよ走査電顕に近づいてきました。

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    1. こんばんは。
      いえいえ、とんでもないです(^^;;ボケた部分があり、またゴミの問題があり、改善の余地が多々あります.

      構造を見て、さらに吸血されたくない思いが強くなりました。今日も少し虫撮りしましたが、帰る際、ズボン裾に着いており慌てて払い落しました(^^;;

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  2. コガネコバチについて検索中、偶然、見つけてお邪魔させて頂きました。
    本当にすばらしい写真ですね。マダニの魅力を再発見しました。
    私のHPもお暇な時にお立ち寄り頂けたら嬉しいです。

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    1. こんばんは。どうもはじめまして(^^
      本格的な防虫のお仕事をされているんですね。先日、玄関にいたゲジゲジのところを興味深く拝見しました。見た目はゴキブリ以上に強烈ですが意外な一面を知りました。またお邪魔します。

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  3. コンニチワ。
    ここまで拡大されていると、普通に図鑑の検索が使えますね。
    フタトゲチマダニと出ました。「ダニ学の進歩(北隆館)」
    フタトゲチマダニは、市街地の緑地でも最近見つかるそうで、
    散歩の犬が多いところに多発する傾向があるそうです。
    ウチの近所の山ではキチマダニばかりです。

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    1. こんばんは。
      ありがとうございます!市街地でも居るのですね。キチマダニのキは黄色の意味でしょうか。まだ見つけていないですね。機会があれば、また採集してみます(^^

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