ヌカカ科...。そんな科がある事を知ったのは、つい最近。以前、無性にいつまでも痒く
水ぶくれが何度も出来た、蚊であろうと思われた痒みはヌカカ科の仕業かもしれない。
ヤツデの花の蜜を舐めている、このヌカカは吸血では無いのだろうか。おちゃたてむし
さんの2011年1月26日の記事に良く似ている。
私もezo-aphidさんより教えて頂いた「Manual of Nearctic Diptera vol1」を参照しながら
写真の翅脈をなぞり、よく似たものを探すとAtrichopogon (Atrichopogon) levis ♀に
行き着いた。おちゃたてむしさんの撮られたものと同種だ。自分一人じゃ、ただの
蚊で終わっていた存在も、先駆者達のお陰でキラリと輝く存在になる。それって
素敵な事だと思う。
雄性期のヤツデの花の構造もこうしてみれば面白い。12月6日撮影
体長約2.2mm。おちゃたてむしさんの撮られた個体と同サイズ。
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こちらは雌性期の花にて。ヌカカの腹部が相当膨れています。
蜜に夢中ですが口の尖りが吸血しそうな構造ですね。点々と蜜が見えています。
重なった翅から翅脈を読み取るのはひと手間かかりますね。
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頑張りましたねー、ご苦労さまでした。亜属も合ってるようです。Atrichopogon亜属は日本から8種の記録があり、そこにTokunaga,1940という種が多いことから「日本の糠蚊に関する文献集」を参考に探すと、どうやら Philip. Jour. Sci.72(3):255-311.に多くの記載がありそうです。
返信削除「Nearctic Diptera」の395頁Biologyを読むと、雌雄は花蜜に来るが、雌はたんぱく質を必要とするため、鳥・獣・大型昆虫の血液のほか、蚊類や交尾雄を捕らえる、とあります。生態も奥が深そうですねー。
ezo-aphidさん こんばんは。
返信削除お蔭さまです。自力では到底ここまで調べられませんでした。Biology確認しました。交尾雄も補食の対象になっているのは驚きました。クモの1部やカマキリと同じなんですね種の保存とはいえ雄は大変ですね。翅脈を参照する際、細かい毛の生えている箇所も適合し、極めて精緻な図解であると、ちょっと感動しました。